こんなはずじゃなかった病院薬剤師、裏側を徹底分析

2020年10月4日

病院薬剤師として10数年実際に働いてみて、辞めていく新人薬剤師が本当に多かった。20人近くの病院薬剤師を見送っきてた、その辞めた理由ランキングを以下に示しています(自分調べ)。

こんなはずじゃなかった病院薬剤師、辞めた理由ランキング
第一位 人間関係
第二位 理想としていた働き方と現実が大きくかけ離れていた
第三位 給料が安い
第四位 仕事量の多さについていけない
第五位 残業や当直などが多く、自分の時間を持つことが少ない
その他 命を扱う現場において精神的負担が大きい

人間関係

病院における薬局というのは閉鎖的かつ縦割り社会です、ここ最近でこそ病棟において活躍の場を増やしていますが一昔前までは薬局内に引きこもって顔の見えない薬剤師などと言われていました。また積極的に他病院との交流を持つことも少なかったと思います。
そのためどこの病院にも、‘’お局様‘’や‘’変な内規‘’、‘’ほぼ強制参加な飲み会‘’、‘’無能な上司‘’、’’派閥’’などなど変わった風習があり、どうしてもきれいな心のまま働いていくことは難しいです。

理想としていた働き方と現実が大きくかけ離れていた

・医師から頼られることも多いが、煙たがられたり理不尽に怒られることも多い
・薬剤師の地位が低い、病棟では重宝されることもあるが雑務を任されることも多い
・患者に寄り添うよりも、調剤・監査・薬の払い出し、配薬、持参薬鑑別・退院指導など日々の業務に忙殺されてしまう
・医師や看護師の業務負担軽減のための仕事が多い→患者のために働きたい
・新人は、下働きが多い。’’これ薬剤師じゃなくてもできるやん’’という仕事が意外に多い
・下の意見はなかなか通らない
・チーム医療や専門薬剤師を目指したくても一定の枠がある、下手すると勝手に割り振られる

給料が安い

実際に病院と薬局で働いてみて、病院と薬局を比べると若いうち(20代半ば頃)は100万から200万円近く差があるように思います、病院薬剤師のほうが昇給の幅がほんの少し大きいため30代半ばくらいでようやく調剤薬局の新人に並べるようなイメージです。

仕事量の多さについていけない

仕事内容は多岐にわたり、いろいろな仕事を並列してこなしていかないと終わらない。生死にかかわる現場にいるため迅速に、また適切に薬を払い出すことが重要。業務内容については別の記事に書いていますので見てください→https://ph-mukkun.com/post-25/

残業や当直などが多く、自分の時間を持つことが少ない

当直や日直は一人で仕事をこなしていくため、精神的・肉体的プレッシャーが普段より大きいです。なれれば楽しくもありますが、最初の頃は不安なことも多いです。急性期の病院であれば夜間何度も起こされるため安眠は確実にできません。

残業については、日々の業務が終わらないことが多く定時終わりは難しいです。診察や検査・手術などを終えた医師が16時ごろから、集中して処方されてくるので終業時間あたりが激務です。
また自己研鑽として自身の勉強のため居残って勉強したりというのもあります。病院によっては、自己研鑽というのが帰りずらい状況になっているところもあります。ここ最近では働き方改革として病院にいること自体をあまり良しとしない傾向はありますが一昔前は夜遅く終電頃まで自己研鑽していたこともありました。

命を扱う現場において精神的負担が大きい

薬局で働き始めて思うことですが、病院は情報量が多くそれに対応し処理していかなければなりません。
カルテのチェックはもちろん、看護師・コメディカルの記録のチェック、主病名と既往歴のチェック、検査値のチェック、処方薬の用法・用量、持参薬や開始薬との相互作用などなど確認・精査・対応していくことがなんと多いことか。
もちろん一つのミスが患者の命にかかわったり、有害事象を招いたりするため十分な知識と対応力をもって業務にのぞむ必要があり、精神的負担は大きい。
病棟薬剤師として働く際には、個人プレーが多くより精神的負担は大きいです。

今回は病院薬剤師のダークな面を、たくさん書きましたがその反面いい面もあります。実際に働くにあたって情報収集や職場見学などは絶対にしておくほうがいいと思います。