ビスホスホネート製剤の服薬指導
骨粗鬆症とは?
- 骨がもろくなることで骨折しやすくなる病気、骨吸収が骨形成を上回ってしまうと、壊した骨の分を補いきれなくなる状態が続く状態(古くなった骨が破壊されることを骨吸収→破骨細胞 、骨が新しく作られることを骨形成→骨芽細胞 )。
- 高齢者、女性に多く見られる。
治療
- 第一選択はビスホスホネート製剤
- 閉経後早期の骨量低下には長期投与となることも考慮するとSERMも第一選択となる
- Caバランスの正常化に活性型VDを考慮する
- 骨形成促進にはテリパラチドが望ましいが高価で投与期間が限定のため制限がある
- 運動は骨にCaを蓄積し、骨を支える筋肉も強化する
- 活性型VDは骨密度を維持する
- 老人性のCa吸収低下には、活性型VDが第一選択
ビスホスホネート製剤の作用機序
- ビスホスホネートが骨吸収面に付着し、破骨細胞に取り込まれる。ビスホスホネート製剤を取り込んだ破骨細胞は不活性型となりアポトーシスを起こし骨吸収を抑制する。
ビスホスホネート製剤の服薬指導時の注意点
- 起床時にコップ1杯(180ml以上)の水で服用
- Ca、Mg等の含有量が高いミネラルウォーターでの服用は避ける
- 咽頭や食道への粘膜への刺激を避けるため服用後30分間は横にならず、何も食べない(ボンビバは60分間)
- 噛んだり、口の中で溶かさない
- 副作用
- 上部消化管障害・顎骨壊死・低Ca血症・大腿骨転子下・近位大腿骨骨幹部の非定型骨折・肝障害・腎障害、筋 関節痛・発熱など
- 顎骨壊死のリスクについて説明、口腔内を清潔にするなどのセルフケアと歯科受診時には服用歴を伝えるよう説明
ビスホスホネート製剤の特徴
- ビスホスホネート製剤は服用制限が多いため、週1回・月1回・年1回などの服用方法の選択や剤形の選択により患者のアドヒアランス向上が期待できる。
- 製剤間の有効性と安全性は同等であるとされている
ビスホスホネート製剤の禁忌
- 食道狭窄・アカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者。
- 服用時に状態を30分以上起こしていることのできない患者。
- →粘膜を刺激する作用を持つため、食道に薬が残ると炎症を起こす。
- →注射製剤に上記制限はなし。
- 低カルシウム血症の患者
- 破骨細胞の働きを抑えてしまうため、血中へのCa流出が低下してしまうため。
ビスホスホネート製剤の副作用
- 錠剤・経口ゼリーでは下痢・胃不快感・発熱・上腹部痛・胃炎などあり、粘膜刺激性に起因するもの。注射剤では主な副作用は背部痛・筋肉痛など。
- 剤形問わず注意が必要なものが顎骨壊死。
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