疑義照会事例-①
以前、実際にあった疑義照会について報告します。病院薬剤師から薬局へ転職して間もない頃に経験した事例です。
突然、バイアスピリンとプラビックスが中止になりましたね、どうかされましたか?
前にカテーテルの検査をして、薬が減ることになったんです。
紹介状を書いてもらって、それをみて薬出してもらってるはずだけど…
なにか変ですか?
心臓カテーテルで治療部位に狭窄部位がなく、問題がなかったのであれば中止薬剤は一つで、片一方は継続のはずじゃないかな、念のため処方医に確認してみよう
紹介状にはクロピドグレルのみ中止となっています、バイアスピリンを出し忘れていますね、処方追加します
急性冠症候群に対する冠動脈ステント留置後は、アスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬を併用(DAPT)することが標準治療です。一定期間投与された(血栓リスクと出血リスクを考慮され期間を決定)のち、血栓リスクが高くなければ単剤へ切り替えられます。禁忌がない限り無期限にアスピリンを経口投与されることになります。バイアスピリン禁忌の患者や、血栓リスクと出血リスクを考慮しチエノピリジン系抗血小板薬の単剤へ切り替えられることもあります。
もしこれが両剤中止になっていれば、心筋梗塞など死へ直結する重大な医療過誤になっていたのではないかと思います。十分な知識と必要な情報を患者から聞き取る能力が必要であると再認識した瞬間でした。
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