病棟で薬剤師は何をやってるの?タイムスケジュール徹底公開
病院によって働き方は様々です、今回は私自身が働いてた中規模病院において病棟での働き方のタイムスケジュールを徹底公開していきたいと思います。
1病棟あたり80床で、持ち患者は、薬剤師一人あたり50人前後です。メインとサブに分かれ1病棟に対して薬剤師2・3人で対応します。
8:30~9:30
出勤後、まずカルテのチェックです→下記内容をだいたい1時間程度かけます。
前日の夕方から朝までのイベントのチェック・バイタルチェック、医師や看護師、コメディカルの記録に一通り目を通します
処方薬チェック(用法・用量、相互作用など)、検査データのチェック
その日の患者のタイムスケジュールを確認、訪問のタイミングを確認する。
9:30~12:00
病棟での在庫薬チェック、不足薬の補充など
入院患者がくれば、その時点で初回面談・持参薬鑑別をおこないます
持参薬鑑別後より、入院中の内服薬の指示・術前後の休薬指示が出るため時間との勝負です
担当医や看護師、そして手術予定の患者であれば麻酔科医などもこの持参薬鑑別をまっています、この持参薬鑑別により入院後の内服指示が決まっていくため首を長くして待たれています。昼後に内服する薬などがあればより早く鑑別する必要があり、背中に看護師の視線をビンビン感じながら鑑別します。
しかし、持参薬鑑別は薬剤師泣かせの業務です、下記に泣かせポイント載せています
①病気による場合
単純に透析患者や複数の病気を併発しており薬剤数が多い方
パーキンソン病の患者など用法が特殊な方
麻薬や覚せい剤原料、サリドマイドなど特殊な管理が必要な薬剤を使用している場合
持ってきた薬に治験薬が混じっていた時
②患者による場合
患者が自己判断で改変して内服している場合
コンプライアンス不良の患者
一錠ごとに綺麗に切り離している患者
薬ケースや紙袋にぐちゃぐちゃに入っている患者
休薬の薬を内服してきていた場合
薬や手帳・薬情を忘れてきた場合
薬情・薬手帳を活用していない患者
薬を見せたがらない患者
外国人、外国の薬を持ってきた場合
③その他
訪室のタイミングが難しい、入院当日は看護師・医師・コメディカルが訪室に来るため患者の取り合いになる
薬局で渡し間違い、アクシデントが起こっていた場合
違う病院から同効薬が重複投与されていた場合、相互作用禁の薬を内服していた場合
などなど書きだしたらきりがないですが、本当によくある事柄です。
入院患者が来るまでの間や、空いている時間で入院中の患者へ服薬指導します(朝は時間があまりとれないので開始薬があっても簡単に説明が済みそうな場合や、服用薬の効果や副作用確認に行ってました)。
入院患者の初回面談・持参薬鑑別が終われば、指導記録の記載です
13:00~16:00
緊急入院の患者の初回面談・持参薬鑑別
時間が長そうな患者の服薬指導(医療用麻薬や抗がん剤の指導など)、話が長くなる患者の服薬指導
処方薬のチェック、検査データ・カルテ内容のチェック
指導記録の記載
配薬、1週間分の処方薬について用法ごとにセット
足りない薬の処方依頼など、必要な薬剤がきちんと処方されているかのチェック
16:00~
指導記録の記載
翌日の入院患者の下調べ
上のタイムスケジュールにはのらない業務もたくさんあります。時間の合間やその都度、いろいろな業務が飛び込んできます
その時々により、調剤応援にも入ります。
その時々により、医師・看護師からの問い合わせ対応、相談応需します
医師からの問い合わせで多いのが当院での代替え薬、その他薬の情報提供、配合変化、用法・用量、副作用、また単純に相談事項など
看護師からの問い合わせで多いのが配合変化、その他薬の情報提供依頼など
開始薬や変更薬があれば、その都度薬情を作成し説明してお渡し(自分が勤めていた病院は各病棟に専用の薬剤師パソコン・プリンターが配備されていたのでタイムリーに患者へ情報提供できていました)。
用法・用量、相互作用、腎・肝機能のチェック
退院処方が出れば、薬情・手帳シールを作成しお渡し。
入院中の変更点や副作用情報などについて手帳に記載し、説明してお渡し。
最近では、ポリファーマシー対策のため、減薬できる薬剤を選定し医師へ提言などもおこないます。
病棟での薬剤師の仕事は多岐にわたり、また主に個人で活動することが多いためリスクも高くなります。
今後、医師・看護師の業務負担軽減のため薬剤師の仕事の幅はますます広がっていくと考えられます。患者のためその他の医療スタッフ、病院においても薬剤師の業務拡大は必要かつ重要なことであると思います、しかしそれにはまず人材の確保と育成、土壌がしっかりとした時点で次のステップに進んでいくことが重要です、病棟薬剤師の活躍・業務拡大はここ最近であり上司が現場のことをどこまで理解してくれているか疑問ではあります。
病棟での薬剤師の活動は、患者以外にも医師・看護師とコミュニケーションをとり自身の知識を深めたり、人間力を高めたりもすることができます。
また薬剤部以外にもコミュニティを作ることができ楽しいことでもあります。
薬剤師が活躍する場所はこれからも増えていくと思います、職能が発揮できる場所が増えればやる気も出、モチベーションも上がります、改革に後ろ向きにならずに前向きに進めていくことが重要と思います。
下記記事も書いていますので、また見てください
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