病院薬剤師辞めて得たもの
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病院薬剤師辞めて得たもの
病院薬剤師を辞めて、得たもの、それは時間・お金・精神的余裕です。病院で働いていた時は常に何かに追われ、休みの日も残務の事や新規で入院してくる患者のことなどを考えてしまい十分な休息が取れていませんでした。
病院薬剤師辞めて得たもの-時間編①
薬局では、ある程度定時で終わり、その日の仕事はその日のうちに終わることが多いです。時間外の委員会や会議なんてものはほとんどないです。半強制的な勉強会・研修会・講習会の参加もありません。
それ以外にも病院薬剤師の仕事がなぜ時間外まで押してしまうのか、それは医師の病棟での仕事が外来終了後・または手術後などに本格的に始まるため16時~17時過ぎが処方や電話の嵐になるためです。だからといってそれまでの間が暇というのでは決してありません。
処方が出た後に動いていくわけですから、処方監査、調剤・監査、払い出し、そして患者への服薬説明がうしろへ押していきます。在庫がなければそこから発注。疑義があれば問い合わせもおこないます、医師が帰宅するまでにそれを行わないといけないため時間との勝負です。
病院薬剤師辞めて得たもの-時間編②
病院で働いていると、たくさんの情報がありそこから必要な情報を読み取り薬学的介入をしていきます、そのため薬剤師の力量や頑張り度によりその患者への介入度に差が出てきます。また医師や看護師に有益な情報を提供するのも薬剤師の職能を発揮するところです。医師と対等に、また忙しい医師と話をするには短い時間で要点をつかんで話さなければなりません、そのため薬の事だけでなく病気や検査のことなどよく理解しておく必要があります。
患者は毎日定期に入院してくる患者、緊急で入院してくる患者、入院してくれば持参薬を確認し、検査値、病歴などを確認します。入院中に処方される薬剤が適切に処方されているか(用法・用量、相互作用、腎・肝機能チェック)を確認し、その都度患者に説明します。
薬のアップデートはもちろん、その患者のことを調べつくしたり、病気や検査値の事、新しい治療方法の事、新薬の事などなど、調べれ始めればきりがありません。
つまり仕事に終わりが見えないのです。
病院薬剤師辞めて得たもの-お金編
病院薬剤師は薄給です、私は4年生の薬科大を卒業し初任給は手取り18万円でした(当直・残業なし、初任給のため控除はほとんどなし)。その後十数年経過して35歳で手取り25万円でした(当直・残業込み)→年収で500万程度。ですが病院薬剤師が薄給といわれるのは目に見えない仕事が多いことです、時間外でボランティア残業や自己研鑽、半強制的な勉強会・講習会・研修会があるからです。
定時で仕事がピタッと終わることはまずなく、時間外にもだらだらと処方箋が流れてきます、一通り落ち着くまでは日勤の勤務者でさばいていきます。
新人であれば、薬剤師でなくてもいいのではという仕事が多いです。輪ゴムや薬袋、印刷用紙やホッチキス芯などの充填や掃除など、仕事の始まる前と終わりにおこないます。
時間外に早く一人前になるため勉強会や講義などが開催されている病院も少なくありません。
病棟に行けば、日中は病棟回りをして、指導記録は時間外にかかってしまうことが多いです。また新規で入院してくる患者の下調べはだいたい時間外になってしまいます。退院処方も時間外に出ることが多いので、そこから処方内容のチェックをおこなったりと時間はうしろに押していってしまいます。
新しい部署や病棟に行けば、自身の知識不足を補うため、日々自己研鑽です、終わりのない戦いですが自分の薬剤師としての力量がアップしていくので楽しいことではあります。病院には書籍や添付文書・インタビューフォーム・製品情報外用など必要な情報がそろってることが多く、また製薬会社のMRもよく顔を出しているので直接話を聞いたりすることもできます。
薬局内で開催している勉強会や、病院で点数獲得のために開かれる研修会・講習会に半強制的に参加しなければいけなかったりします。場合によっては自身が演者となり発表することもあります。
自分の興味のあるものだけを選んで学べないこともありジレンマを感じることが多いです。
病院薬剤師辞めて得たもの-精神的余裕編①
病院と薬局で薬剤師として働いてみて、プレッシャーの度合いが全然違います。
薬局では前回と同じ処方内容で継続されていくことが多いですが、病院では常に新しい薬が患者に投与されていきます、その都度薬の用法・用量、相互作用などをチェックしていく必要があり神経を使います。たくさんの情報の中から必要なものを抜き出し、そこから薬学的介入に踏み出していくため時間と労力が必要です。
イメージとして薬局では薬剤師が一番上、でも病院では医師の方が立場が上になります、また病棟では看護師の方が立場は上になるためどうしても気を使います。
病院では、薬剤部内での人間関係、病棟での人間関係、病院全体での人間関係とコミュニティがいくつもありそれぞれに気を使っていく必要があるので精神的に疲労しやすいです。
病院薬剤師辞めて得たもの-精神的余裕編②
時間とお金に余裕が出てくると自然と精神的にも余裕が出てきます。
私は、病院を辞めてからよく眠れるようになりましたし、趣味も広がりました。持病の方も落ち着き体調も安定して過ごせるようになりました。また家族との貴重な時間も増え、自分自身もですが家族にとっても良い転職になりました。
番外編-病院薬剤師を辞めて、損したもの
病院では、薬剤師だけでなく医師・看護師・放射線技師・理学療法士など多職種とのかかわりがありプライベートでも付き合える仲間にもなったりしました。薬剤師としてだけの知識だけでなくそれぞれの職種の意見を聞くことで幅広い知識を身につけることができました。薬局ではどうしても小さいコミュニティになってしまい、新しい発見がその分だけすくなくなってしまいます。
最新の医薬の知識は最前線で働いていないと入ってきにくいのが現状です。薬局では処方箋に新薬がのってきて初めて触れ合うことになります、そのため日ごろからアンテナを張り巡らせておく必要があります。病院では勝手に入ってきていた情報が、薬局では自身で探していかなければならないのです。
まとめ
病院薬剤師を辞めて得たもの、これは人によりますが私自身は辞めて得たことはかなり多く、この決断が正解であったと思っています。
一度きりの人生です、悩まずいろんなことに挑戦していくことが今は楽しいです。
以下に薬局や病院での薬剤師の働き方を挙げてますのでよかったら見てください
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